庭に設置する10m2以内の小規模な物置・倉庫・小屋の建築設計・確認申請

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この記事で分かること(10m2以下の倉庫・物置・小屋)
  • 小規模な倉庫および物置の建築確認申請の有無
  • 確認申請が不要・必要なケースの考え方
  • 地震及び風圧に対し安全な基礎構造設計の考え方
目次

小規模な倉庫・物置でも建築物に該当する場合がある

建築基準法では、屋根・柱又は壁があると建築物に該当するという原則が規定されています。

ただし、小規模な倉庫・物置については、一定規模に該当するものは建築物に該当しないとする整理となっています。つまり、建築物に該当しないため、確認申請は不要、建築基準法の基礎構造などの基準も適用されません。ただし、その他法令に基づき設置者として構造上の安全性については別途遵守する必要があります。

このポイントは、奥行きが1m以下、又は高さが1.4m以下に該当するかどうかです。

すべての小規模倉庫・物置が建築物に該当しないわけではありません。国の技術的助言では、奥行きが1m以下又は高さが1.4m以下で、外部から荷物の出し入れを行うことができ、内部に人が立ち入らないものについて、建築物に該当しないものとして取り扱う考え方が示されています。

この取扱いは、次のようなものを想定しています。

  • 外部から荷物の出し入れを行うことができる。
  • 内部に人が立ち入らないもの。

したがって、上記のいずれにも該当しない倉庫・物置は建築物に該当するため建築基準法が適用されます。

敷地内(庭)に設置するような小規模な倉庫(10m2以下)については、基本的に確認申請が不要となるケースがあります。ただし、確認申請の要否や取扱いは、行政庁の運用によって異なる場合があります。公表されている条例・細則・取扱い基準に明確な規定がない場合でも、個別計画では所管行政庁や指定確認検査機関に確認することが望まれます。

建築物に該当しない場合の基礎構造設計

建築物に該当しない倉庫・物置の場合、メーカーの既製品であれば保証・責任関係からメーカー仕様どおりにつくるのが最も適切です。

既製品ではない場合は、DIYにより木造や単管パイプ等でつくることを考える方もいますが、それは避けるべきです。というのも、構造上の安全性が確保できないからです。ただし、木造の場合は建築基準法を準用することで安全性を担保させることができます。詳細は、次の項をご覧ください。

小規模な倉庫・物置・小屋について、建築物該当性、確認申請の要否、平成12年建設省告示第1347号の基礎仕様への適合義務を整理すると、次のようになります。

小規模倉庫等における建築物該当性・確認申請要否・基礎仕様適合義務の整理

なお、平成12年建設省告示第1347号の基礎仕様への適合義務がない場合であっても、建築基準法施行令第38条第1項の適用まで除外されるわけではありません。そのため、確認申請が不要な小規模な倉庫・物置等であっても、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤へ伝え、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全であることを確認する必要があります。

建築物に該当する場合の基礎構造設計(10m2以下)

建築物に該当する場合の基礎構造設計は、建築基準法第20条を適用させる必要があります。基礎構造としては、建築基準法施行令第38条を適用させる必要があります。

(基礎)
第38条 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

なお、構造計算が必要な規模ではない場合、平成12年告示第1347号「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」に適用させる設計することが一般的ですが、10m2以内の倉庫・物置については適用させる義務が生じないため、上記の「建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なもの」を守ればいいとなります。なお、小屋(倉庫以外の用途:趣味室や作業部屋など)については、この告示を適用させる必要があります。

とはいえ、つまりこれは構造計算を伴う基礎設計を行うという意味となるため、実質的に平成12年告示第1347号に適用させる仕様にする必要があります。では、どのような基礎とすればよいか。ポイントは地盤とべた基礎です。基本的には次のルール以上のものの基礎構造とすれば最低限度の安全性を確保できます。ただし、厳密には、地盤条件や立地場所によって設計条件が変わるため建築士の関与が必要です。確かに、確認申請は不要となるケースが多いですが、つくった後の耐久性等を踏まえれば建築士設計が望ましいです。

項目概要参考情報
地盤の長期許容応力度20KN/m2以上施行令第93条による地盤調査
立ち上り部分の高さ地上部分で30㎝以上
立ち上がり部分の厚さ12㎝以上
基礎底盤の厚さ12㎝以上
基礎の根入れ深さ12㎝以上かつ凍結深度より深い位置凍結深度は各自治体の条例等を参照
立ち上がり部分の主筋(上端・下部底盤)D12㎜以上(補強筋と緊結)
立ち上がり部分の補強筋φ9㎜以上@30㎝以下間隔(縦)
底盤の補強筋φ9㎜以上@30㎝以下間隔(縦・横)
換気口部補強筋周囲にφ9㎜以上
平成12年告示第1347号(抜粋) ※木造設計の場合
平成12年告示第1347号(抜粋) べた基礎概念図

当社では、庭や敷地内に設置する10m2以内の小規模な木造物置・倉庫・小屋について、建築物該当性、確認申請の要否、基礎構造、配置計画を含めた設計相談を承っています。確認申請が不要となる場合でも、地盤条件、風圧、転倒・飛散、雨仕舞、耐久性を考慮した設計が重要です。小規模な木造小屋・物置の設計をご検討の方は、お問い合わせください。

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この記事を書いた人

▷一級建築士,建築基準適合判定資格者(建築主事試験),宅地建物取引士,建築物省エネ適合性判定員など
▷建築関連法規や都市計画法規などに関することや、都市計画・公共交通・住宅政策などが得意分野です。
▷コンサルタント依頼はこちらから(https://visasq.co.jp)

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