先日(2024年7月19日)、JR東日本より2023年度の駅別乗車人数(有人駅)と、路線別の平均通過人数(人/日)及び旅客運輸収入が公開されました。この記事では、水戸以北のJR常磐線の利用状況が2022年度に比べてどのように変化したのか分かりやすくまとめています。
常磐線水戸以北等の主要駅の利用者数の動向(2022→2023年度)
*出典:JR東日本 各駅の乗車人員 2023年度(日平均乗車人数:人/日)
*降車の人員等は含まれていない。
*掲載がない主要駅は無人駅のため統計が行われていない。
駅名 | 市町村名 | 2023年度(合計) *( )書きは2022年度比 | 2023年度(定期利用) *( )書きは2022年度比 | 定期利用者割合 |
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水戸駅 | 水戸市 | 26,738(+6.3%) | 17,202(+1.7%) | 64.3% |
勝田駅 | ひたちなか市 | 11,697(+7.5%) | 7,820(+3.1%) | 66.9% |
佐和駅 | ひたちなか市 | 3,420(+5.1%) | 3,255(+3.1%) | 80.0% |
東海駅 | 東海村 | 4,399(+5.2%) | 3,238(+1.7%) | 73.6% |
大甕駅 | 日立市 | 8,318(+5.9%) | 6,768(+4.4%) | 81.4% |
常陸多賀駅 | 日立市 | 5,619(+3.0%) | 4,328(+0.6%) | 77.0% |
日立駅 | 日立市 | 8,742(+5.2%) | 6,652(+1.2%) | 76.1% |
小木津駅 | 日立市 | 2,000(+3.7%) | 1,567(+2.1%) | 78.4% |
十王駅 | 日立市(旧十王町) | 2,591(+2.1%) | 2,144(+0.6%) | 82.7% |
高萩駅 | 高萩市 | 2,070(+0.8%) | 1,540(−3.2%) | 74.4% |
磯原駅 | 北茨城市 | 1,459(+4.6%) | 1,088(+0.5%) | 74.6% |
大津港駅 | 北茨城市 | 666(−1.8%) | 511(−5.7%) | 76.7% |
勿来駅 | いわき市 | 678(+2.0%) | 458(−3.6%) | 67.6% |
植田駅 | いわき市 | 1,509(−0.1%) | 1,222(−2.2%) | 81.0% |
泉駅 | いわき市 | 2,184(+8.6%) | 1,339(+4.2%) | 61.3% |
湯本駅 | いわき市 | 1,680(+6.2%) | 1,020(+1.1%) | 60.7% |
内郷駅 | いわき市 | 891(+6.3%) | 690(+5.3%) | 77.4% |
いわき駅 | いわき市 | 4,999(+7.2%) | 2,933(+2.3%) | 58.7% |
四ツ倉駅 | いわき市 | 516(+2.8%) | 355(−0.8%) | 68.8% |
原ノ町駅 | 南相馬市 | 1,004(+9.9%) | 618(+6.6%) | 61.6% |
相馬駅 | 相馬市 | 1,082(+7.2%) | 768(+5.1%) | 71.0% |
新地駅 | 新地町 | 263(+4.8%) | 197(+1.5%) | 74.9% |
山下駅 | 山元町 | 547(+6.4%) | 402(+5.2%) | 73.4% |
亘理駅 | 亘理町 | 1,736(+1.7%) | 1,394(−0.8%) | 80.2% |
2023年度は2022年度と比べて全体的に乗車人数が増加しています。特に、最も伸び率が高かったのは原ノ町駅で前年度比+10%を達成しています。続いて、泉駅や勝田駅、いわき駅、相馬駅などで前年度比+7%となっています。
また、定期利用者数についても同様に全体的にみると増加していますので、コロナが完全に明けてリモートワークから出社する形態に戻ったと想定されます。なお、定期利用でもみても原ノ町駅が前年度比+7%と大きく上昇しています。
定期利用者数割合が低い地域がビジネスや観光客の利用者があることが考えられます。水戸以北では、いわき駅(58.7%)、湯本駅(60.7%)、泉駅(61.3%)、原ノ町駅(61.6%)、水戸駅(64.3%)が定期利用者の割合が比較的低い駅です。いわき駅や泉駅、水戸駅はビジネスと観光、湯本や原ノ町は観光・温泉などです。
水戸以北の駅利用者数が多い駅上位10駅は次のとおりです。
順位 | 駅名 | 日平均乗車人数 | 前年度比 | コロナ禍前 (2018年度) |
---|---|---|---|---|
1 | 水戸駅 | 26,738 | +6.3% | 29,889 |
2 | 勝田駅 | 11,697 | +7.5% | 13,485 |
3 | 日立駅 | 8,742 | +5.2% | 11,175 |
4 | 大甕駅 | 8,318 | +5.9% | 9,525 |
5 | 常陸多賀駅 | 5,619 | +3.0% | 6,844 |
6 | いわき駅 | 4,999 | +7.2% | 5,872 |
7 | 東海駅 | 4,399 | +5.2% | 5,071 |
8 | 佐和駅 | 3,420 | +5.1% | 3,905 |
9 | 十王駅 | 2,591 | +2.1% | 2,983 |
10 | 泉駅 | 2,184 | +8.6% | 2,449 |
コロナ禍前の水準までは戻っていませんが、それでも約9割近くまで戻っている駅もありますので2024年度についても、2022年度比までには到達しないものの、もう少し戻るのではと思います。
とはいえですが、人口減少並びに超高齢化が進んでいるのと、コンパクトシティ形成が少しづつ取り組みが進められている程度ですので、減少傾向は続くものと想定されます。2024年度は、定期利用者は微増または微減し、観光客やビジネス客の増加に伴い定期以外の利用者が増えると予想できそうです。
駅通過人数
年度 | 土浦-勝田 | 勝田-高萩 | 高萩-いわき | いわき-原ノ町 | 原ノ町-岩沼 |
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2020年度 | 26,382 | 21,894 | 6,099 | 1,286 | 3,148 |
2021年度 | 29,450 | 22,064 | 6,300 | 1,311 | 3,332 |
2022年度 | 36,045 | 24,219 | 7,418 | 1,592 | 3,690 |
2023年度 | 40,651 (+12.8%) | 25,932 (+7.1%) | 8,067 (+8.7%) | 1,731 (+8.7%) | 3,977 (+7.8%) |
コロナ禍が明けて定期利用が戻っていることや福島県双葉地方の復興が進んでいることもあり、前年度比で7〜13%の上昇が確認できます。いわき〜原ノ町間についても約9%の上昇が見られるのが特徴的です。
常磐線の利便性向上は双葉郡内の町の復興次第のように思われます。現時点で有人駅は設置されていないため利用者数が公開されていないという状況です。富岡や浪江、大野駅周辺で人口増が進めば状況は変わるかもしれないです。
それでは以上となります。こちらの記事が参考となりましたら幸いです。