2025年11月1日より排煙無窓判定方法が変更。天井高2.6m超は新しい計算方法を適用

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この記事では、令和7年11月1日(土)から改正された無窓解除検討(施行令第116条の2第1項第二号)を解説しています。なお、この記事では、新たに合理化措置として設けられた排煙口と認められる給気口及び排気口の構造方法に関する告示(国交省告示第993号,令和7年10月31日公布,同年11月1日施行)の解説は行っていませんが、別途次回以降の記事にしたいと思います。

はじめに、改正された施行令と新たに規定された告示です。

(窓その他の開口部を有しない居室等)
第116条の2 法第35条(〜略〜)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 (略)
二 開放できる部分(天井又は壁(床面から天井までの垂直距離に応じて国土交通大臣が定める部分(→R7年告示第992号)に限る。)にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の50分の1(火災時に生ずる煙を有効に排出することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる給気口及び排気口を有する場合にあつては、給気口の開口面積、排気口の高さ及び居室の床面積に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した割合)以上のもの
2 (略)

建築基準法施行令第116条の2(抜粋)

建築基準法施行令第116条の2第1項第二号及び第128条の3の2第1号に規定する床面から天井までの垂直距離に応じた壁の部分は、次の各号に掲げる床面から天井(天井のない場合においては、屋根。第一号において同じ。)までの垂直距離に応じ、当該各号に定める部分とする。
一 2.6m以下の場合 天井から下方80㎝以内の距離にある部分
二 2.6mを超える場合 床面からの高さが1.8m以上の部分

床面から天井までの垂直距離に応じた壁の部分を定める件(令和7年国交省告示第992号,令和7年10月31日公布,同年11月1日施行)

施行令第116条の2第1項第二号の規定は、排煙開口(自然開放窓)として居室の床面積の1/50以上の設置を求めているものです。この規定に適合しない場合は、排煙設備の設置(施行令第126条の2)が必要となります。今回の改正では、この排煙設備が必要かどうかを検討するためのルールが変更され、新たに天井高2.6m超については従来とは異なる計算方法が適用されることとなりました。

・天井高2.6m以下:従来どおりの検討方法でOK(天井下方80㎝以内の開口面積が居室の床面積の1/50以上)
・天井高2.6m超 :床面からの高さが1.8m以上部分に位置する開口面積が居室の床面積の1/50以上
※床面:居室における床面の最も高い部分
※天井:各部分(*平均天井高ではないので注意)
※天井がない居室の場合は屋根までの垂直距離

令和7年国交省告示第992号の基本的な考え方,令和7年10月31日公布,同年11月1日施行
天井面や床面の形態が一様ではない場合の基本的な考え方

今回の改正により、新たに「床面」が追加されました。
ここでいう床面は、無窓検討を行う居室の床面のうち最も高い部分を指します。
また、天井とは、各部分の天井を指します。天井の取り扱いは従来の排煙無窓検討のとおりです。
※出典:国土交通省住宅局建築指導課(2025.10.30)「建築基準法施行令の一部を改正する政令の施行に伴う関係告示の規定の整備に関する意見募集の結果について(e-gov)」No.21

排煙無窓判定が「OUT」のケース

まとめ
・施行令第116条の2第1項第二号の改正令が2025年11月1日に施行
・天井高2.6m超の居室では、床面から1.8m以上の部分にある開放可能な窓等の面積が当該居室の1/50以上を確保
・天井高2.6m以下は、従来どおり(天井下方80㎝)
補 足
・内装無窓判定も同様の改正が行われています。

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この記事を書いた人

▷一級建築士,建築基準適合判定資格者(建築主事試験),宅地建物取引士,建築物省エネ適合性判定員など
▷建築関連法規や都市計画法規などに関することや、都市計画・公共交通・住宅政策などが得意分野です。
▷コンサルタント依頼はこちらから(https://visasq.co.jp)

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