新築住宅を計画する建築主と設計者のための比較ツール

福島県浜通り・中通り・茨城県央県北で計画する新築木造住宅耐震等級と制振で、揺れ方はどう変わるのか

新築住宅の計画段階で、建てる市町村と住宅の条件を選び、東北・関東で観測された地震に対する変形の差を見ます。前半は、耐震等級や制振の違いを知りたい建築主向け。後半は、壁量計算や住宅性能表示の判定結果を入力して確認する設計者向けです。

対象 新築の在来軸組構法/平屋・2階建て

地震 地域のK-NET観測記録5件+地域外参考1件

確認できること 条件による変形の相対差

01

建築主向け

耐震等級と制振による変形の違い

新築計画の初期比較として、同じ地震に対して住宅の条件を変えたときの差を確かめます。どの仕様なら絶対に安全かを判定するものではありません。建設地、住宅の大きさ、耐震等級、制振の有無を順に選んでください。

手順1

建設予定地の市町村を選択

地図または市町村名で選びます。市役所・町村役場に最も近いK-NET観測点を、地震ごとに使います。

地図から市町村を選ぶ
鉄道路線市町村役場鉄道:国土数値情報(2024年12月末)

地図または市町村名から選択してください。

観測記録を準備しています。
震源と観測点の位置を確認
震源と観測点の位置地図を準備しています。

選択した建設地の代表点、使用するK-NET観測点、比較対象5地震の震源を同じ地図に表示します。

    建設地の代表点K-NET観測点選択中の震源

    行政区域:国土数値情報 震源要素:気象庁 ※震源は震央位置を表示

    手順2

    建築計画を教えてください

    建てる住宅の階数と延べ面積を選びます。

    階数
    手順3

    まず、耐震性能を過去の地震から確認

    比較する地震と耐震等級を選び、制振装置なしの条件で違いを見ます。

    比べたい耐震性能

    能登半島地震を参考比較に追加2024年能登半島地震(M7.6)のK-NET穴水・実観測波形を選べます。強い揺れを受けた住宅モデルの応答を比較するための地域外記録であり、福島・茨城の建設地に同じ揺れが生じるという予測ではありません。

    手順4

    次に、制振装置を追加した場合を比較

    手順3で選んだ耐震等級は変えず、制振装置の追加効果を確認します。

    追加する制振装置
    耐震性能を確保したうえで検討する追加対策です。

    標準モデルによる参考比較です平屋は入力した延べ面積を1階床面積として計算します。2階建ては、入力した延べ面積を1階55%・2階45%に配分し、階高を1階3.0m・2階2.8mとした標準的な木造住宅モデルです。実際の各階床面積や階高、建物重量、壁の配置などが異なると結果も変わります。各階床面積や設計条件を反映した比較は、設計者の方に設計者向けツールで確認してもらってください(設計者向けツールでも階高は1階3.0m・2階2.8mの固定値です)。

    「耐震等級1相当」は比較用の基準設定です。制振の2種類は一般化した参考設定で、特定メーカーの製品性能を示すものではありません。延べ面積が300㎡を超える住宅は計算対象外です。

    手順5

    結果の確認

    耐震性能による差と、同じ耐震性能に制振装置を追加した差を分けて比べます。

    1|比較の基準

    等級1相当・制振なし

    —計算待ち

    2|耐震性能を選ぶ

    耐震等級3・制振なし

    —計算待ち

    3|制振装置を追加

    耐震等級3・高減衰ゴム

    —計算待ち

    耐震性能による差

    —

    耐震等級を選んで比較してください。

    制振装置を追加した差

    —

    制振装置を選んで比較してください。

    再生速度

    変形は階高との実寸比で表示します。

    結果の読み方

    「約1/○○」は、階の傾きの大きさです

    計算後に、最も変形した階のずれをミリ単位でも示します。

    分母の数字が大きいほど変形は小さく、数字が小さいほど大きく傾いた結果です。

    例:1/120階高3.0mなら、上下の床の横ずれは最大約25mmです。3,000mm ÷ 120 = 25mm
    約1/250約12mm比較的小さい変形
    (この4段階では、建物の傾きが小さい側)
    約1/120約25mm降伏点の目安
    (簡易モデルで、剛性低下が始まる設定上の境目)
    約1/60約50mm大きな変形
    (耐力壁・接合部・内装などの損傷確認が必要な範囲)
    約1/30約100mmかなり大きな変形
    (構造安全性と地震後の継続使用を個別に確認すべき範囲)
    • 最大層間変形角は、地震中に最も大きく傾いた一瞬の値です。
    • 残留変形角は、揺れが収まったあとに残る傾きの目安です。
    • 1/15超は、この簡易モデルで比較できる範囲を超えた表示です。
    層間変形角は、上下の床の横ずれをその階の高さで割った値です。1/120は、このツール内で設定した降伏点の目安であり、法令上の合否や住宅の安全を単独で判定する線ではありません。部材の損傷や地震後に住み続けられるかは、設計者が接合部・基礎・壁配置なども含めて確認してください。

    室内被害の時刻歴モデル

    内装・家具・収納物の挙動を比べる

    室内への影響を計算中詳細を見る

    住宅の変形・各階の床応答波形を使い、揺れの継続時間を含めて計算します。

    基準にする住宅

    等級1相当・制振なし

    内装材
    計算待ち
    家具の参考転倒率
    計算待ち
    扉・引き出し
    計算待ち
    食器・収納物
    計算待ち

    選択した条件

    耐震等級3・制振あり

    内装材
    計算待ち
    家具の参考転倒率
    計算待ち
    扉・引き出し
    計算待ち
    食器・収納物
    計算待ち

    家具は各階の床応答の最大加速度・最大速度と家具寸法から、既往研究の転倒率関数による参考転倒率を表示します。これは同条件の自由立ち家具群に対する目安で、個々の家具が転倒するかを断定する値ではありません。固定を選んだ場合は、未校正の低減率を表示せず、固定なし換算と固定仕様の確認事項を示します。内装、扉、収納物のモデルは従来どおりです。

    耐震等級と制振の組合せ比較

    分母が大きいほど、計算上の最大変形は小さくなります。

    揺れの中身を確認

    観測波形・応答スペクトル・住宅モデル波形

    地面がどう揺れたか、どの周期が強いか、その揺れで住宅がどう変形したかを順番に表示します。

    1 地面の揺れ|観測加速度波形
    2 周期ごとの強さ|5%減衰・応答スペクトル
    3 住宅の揺れ|最大階の層間変形角波形

    建設地における過去地震を比較

    住宅条件を変えずに、5地震の南北・東西方向を計算し、変形が大きかった方向を表示します。

    未計算

    政府の活断層評価

    双葉断層周辺では、浅い内陸地震も設計時に確認

    M6.8〜7.5程度政府の地震調査研究推進本部は、双葉断層全体が一度に活動する場合の地震規模をこの範囲と評価しています。

    30年以内「ほぼ0%」長期評価上の発生確率です。「ほぼ0%」は安全の保証ではなく、発生可能性を完全に否定する値でもありません。

    双葉地域から相馬地方では、断層に近い敷地ほど浅い地震による局地的な強い揺れを設計条件として確認する必要があります。ただし、市町村全域の危険度を一律に示すものではありません。敷地と断層の距離、地盤条件、建物の固有周期を設計者が個別に確認してください。能登半島地震の記録は揺れ方を比べるための参考で、双葉断層の想定地震動そのものではありません。

    地震本部|双葉断層の評価を確認 ↗
    ここから設計者向け詳細検討する ↓
    02

    設計者向け

    詳細検討する

    新築計画の判定表に合わせ、「建築基準法の壁量計算・四分割法」または「住宅性能表示」を選びます。許容応力度計算の出力は使いません。壁量充足率を初期剛性の差に、壁率比や偏心率を壁配置の偏りに読み替え、観測記録に対する相対的な応答を確認します。

    入力に使う判定表

    建築基準法壁量判定表・四分割法判定表
    住宅性能表示総合判定表・性能表示壁量・床倍率・壁の配置

    初期値は操作例です実案件の計算では、判定表に記載された検討方向の数値へ必ず置き換えてください。

    判定方法を選択

    「壁量判定表」と「四分割法判定表」から、検討方向の数値を転記します。X方向を選ぶ場合は、すべてX方向の値でそろえてください。

    各階の床面積から質量配分を設定します。2階建てでは、1階と2階の合計が延べ面積になります。

    階壁量充足率(1.00以上)四分割法・弱側壁率比(0.50以上)
    2階
    1階

    壁量充足率は地震力による判定の値、壁率比は四分割法判定表の検討方向における弱い側の値を入力してください。壁率比0.50以上が判定基準です。

    入力値を確認しています。

    この入力から直接は分からない数値 建築基準法・住宅性能表示の判定表には、動的な剛性や固有周期は記載されません。このツールでは延べ面積から標準的な木造住宅の質量を仮定し、耐震等級と壁量充足率を初期剛性の差へ置き換えています。屋根重量を別項目として重ねて補正していません。判定表の数値を正式な動的解析へ変換するものではありません。

    2質点簡易モデル・計算結果

    各階の最大層間変形角

    再生速度

    現在の速度:高速 4×

    観測記録の静かな冒頭を省き、住宅の応答が現れる直前から再生します。

    最大応答

    —

    計算待ち

    「約1/○○」の見方

    計算後に、最大変形角を実際の横ずれへ換算して表示します。

    分母が大きいほど変形は小さくなります。例:階高3.0mで1/120なら約25mm、1/60なら約50mmの横ずれです。
    1階最大変形角
    —
    2階最大変形角
    —
    屋根最大変位
    —
    最大床応答加速度
    —
    モデル初期周期
    —
    等価減衰定数
    —
    残留変形角目安
    —
    履歴吸収エネルギー
    —
    転記した条件
    —

    入力から住宅応答まで

    3つの波形で簡易応答を確認

    観測記録、周期ごとの強さ、2質点モデルの変形を並べて確認できます。スペクトルの縦線は選択した住宅モデルの固有周期です。

    図は横に動かして確認できます。

    観測加速度波形
    5%減衰・加速度応答スペクトル

    計算後に、選択した観測記録と住宅モデルの周期を表示します。

    住宅モデルの層間変形角波形

    内装材の変形追従

    —計算待ち

    家具の参考転倒率

    —計算待ち

    扉・引き出し

    —計算待ち

    食器・収納物

    —計算待ち
    計算方法と適用範囲

    このツールは新築住宅の計画段階を対象とします。観測加速度を10Hzで低域通過処理後、25Hzへ間引き、Newmark平均加速度法を4分割刻みで反復計算します。平屋は1質点、2階建てはせん断型2質点モデルです。建築基準法を選んだ場合は壁量充足率、住宅性能表示を選んだ場合は耐震等級と壁量充足率を初期剛性の比較倍率に用います。四分割法の弱側壁率比または偏心率は、壁配置の偏りを見る表示係数として反映します。1回の地震動に含まれる繰返しによる剛性・耐力低下は簡略的に考慮しますが、経年劣化や過去の地震による既往損傷は扱いません。既存住宅、増改築住宅、被災履歴のある住宅には使用せず、現地調査や耐震診断を行ってください。ねじれ、吹抜け、床・屋根面の変形、部材と接合部ごとの挙動は扱わないため、立体解析や個別住宅の安全判定を代替しません。

    家具の参考転倒率は、各階の床応答から最大加速度・最大速度・等価振動数を求め、既往研究の家具寸法に基づく転倒率関数を適用します。自由立ちの大型家具群を対象とする統計的な目安であり、個々の家具の転倒確率を保証するものではありません。固定ありは同関数の適用外なので、固定なし換算のみ表示します。図の滑り・傾きは理解補助の簡易表示です。家具の固定条件は新築時に計画する設置条件の比較用です。内装、扉、収納物の参考モデルは従来どおりで、家具同士・壁との衝突、収納物の形状・重さ・詰め方、食器の摩擦や破損、3次元挙動、床材のばらつきは扱いません。

    根拠と利用上の注意