先日、JR東日本が2024年度の一日平均乗車人数を公表しました。
この記事では、そのデータをもとにコロナ禍前(2019年度)との違いを調べています。特に、利用者数の変化が大きい駅に注目し、「なぜその駅では増えたり減ったりしたのか」を分析しました。
駅の乗車人数は、その周辺エリアの不動産需要やビジネスチャンスを知る手がかりにもなります。街の変化を読み解きたい人にとって、参考になるデータのはずです。
| 駅名 | 市町村名 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2019年度比 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 新地駅 | 新地町 | 270 (199) | 281 (208) | 279 (206) | 231 (191) | 235 (193) | 251 (194) | 263 (197) | 266 (202) | 95.3% |
| 相馬駅 | 相馬市 | 1,115 (721) | 1,144 (748) | 1,121 (746) | 841 (648) | 906 (695) | 1,009 (731) | 1,082 (768) | 1,103 (768) | 98.4% |
| 原ノ町駅 | 南相馬市 | 975 (634) | 1,024 (667) | 1,031 (672) | 838 (604) | 847 (592) | 913 (580) | 1,004 (618) | 1,048 (639) | 101.6% |
| 竜田駅 | 楢葉町 | 183 (142) | 192 (148) | 183 (142) | 158 (132) | 147 (120) | 159 (128) | 174 (141) | 202 (166) | 110.4% |
| 四ツ倉駅 | いわき市 | 624 (436) | 610 (427) | 617 (436) | 503 (378) | 473 (348) | 502 (358) | 516 (355) | 526 (356) | 85.3% |
| 備考 | *コロナ禍:2019年12月 |
JR常磐線いわき駅以北で平均乗車人数が公表されている福島県内の駅は5駅です。このうち、コロナ禍からの回復基調にあるのは、新地駅や相馬駅、また、コロナ禍以前よりも回復しているのが原ノ町駅と竜田駅です。最後に、回復が鈍化しているのが四ツ倉駅となっています。
ここから少し詳細に深掘りしていきます。
はじめに、回復基調にある原ノ町駅(南相馬市の主要駅)ですが、2019年度の定期率は65.2%でしたが、2024年度の定期率は61.0%に減少しています。しかしながら、原ノ町駅はコロナ禍前以前の水準に戻っています。もちろん東日本大震災前の水準である2010年度の1,679人には及びませんが、それでも1,048人という数字は、2010年以降で見ると最も高い値です。
理由は、国の重要無形文化財に指定されている相馬野馬追(5/25~27)が押し上げていると考えられます。2024年開催から従来7月末に開催していたところ5月末の開催となった。このことにより2024年は、2023年に比べ約9100人増の13万500人の集客があったとされる。福島・宮城県内は自家用車依存度が高いため公共交通利用率が15%としても、約1.9万人、年平均にすれば日あたり約54人の押上効果があったと考えられます。
そうすると、震災後不通が続いていたJR常磐線の全線開通(2020年3月)、ならびにコロナ禍が開けて徐々に移動車が増えてきたところを見ると、2024年度の1,048人は妥当な数字といえそうです。定期利用率の減少傾向を見ると人口減少およびこれに伴う若年層の減少により通学者数が減少していることから、観光施策の効果が駅利用に反映されていると考えられます。
次に、竜田駅ですが、原ノ町駅同様に2010年以来、はじめ200人を超えて2019年度比110%となっています。特に、定期利用者率が2019年度の77.6%、2018年度の77.1%から82.2%までに上昇しています。双葉郡内でも比較的早く避難指示が解除され住民帰還が進んだことや、駅周辺への震災復興関連企業の立地に伴い通勤・通学利用が増加していることが考えられます。竜田駅は特急ひたちが停車しない駅のため、遠方からの利用は考えにくく、主に近傍であるいわき市や南相馬市などからの利用が増加しているのではと考えられるところです。

一方で四ツ倉駅の減少傾向は顕著です。いわき市四倉地区の高校が生徒減少、2026年度には市内他校との統合が予定されており、主に通学・通勤者が減少していると考えられます。実際、2019年度の定期利用者率は70.7%でしたが、2024年度は67.7%と、3%減少しています。また、通勤・通学圏内であるいわき駅周辺のオフィスや店舗機能の低下なども考えられます。
番外編・亘理駅
番外編として、仙台都市圏であるJR常磐線亘理駅(亘理町)の動向です。
2018年度:2,130人(1,695人)
2019年度:2,100人(1,689人)
2024年度:1,749人(1,397人)
*( ):定期利用者数
2019年度比は約83.3%と、コロナ禍の影響を大きく受けています。亘理町の人口は2005年の約3.5万人をピークに減少が進み、2025年8月末時点で約3.3万人と微減している傾向にありますが、微減傾向に対し、2019年度と2024年度で対比すると、約16.7%減少している傾向から、コロナの影響により働き方が変わりそうした影響から利用者数が戻っていない状況にあると考えられます。


