こちらの写真は、道の駅なみえに建築されている「車庫」です。
天井材が木質仕上げとなっているためか、とても美しいですよね。個人的にも好きですし、こうした車庫・ガレージを建築されたい方も一定数いるのかなと思いましたので、簡単な記事にしてみました。
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車庫に関する建築基準法の制限① →3階以上又は床面積150㎡以上を避ける
車庫・ガレージの建築において最も注意して欲しいのが「車庫用途を3階以上に設ける」又は「車庫用途の床面積を150㎡以上」とする。
住宅用の付属車庫(一般的には20㎡/台)や小規模な商業施設であれば3階以上or150㎡以上の車庫を計画することはないでしょうけど、これに該当してしまうと、耐火建築物等とする必要性が生じます。(つまり、木質化は難しい)。
建築基準法第27条第3項第一号において次のように記載されています。
3 次の各号のいずれかに該当する特殊建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物(別表第一(い)欄(6)項に掲げる用途に供するものにあつては、第2条第九号の三ロに該当する準耐火建築物のうち政令で定めるものを除く。)としなければならない。
建築基準法第27条第3項
一 別表第一(い)欄(5)項又は(6)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が同表(に)欄の当該各項に該当するもの
つまり、耐火建築物・準耐火建築物(イ準耐火建築物のみ)とする必要があることから鉄筋コンクリート造や鉄骨造・木造(同造の場合には耐火被覆加工)する必要があるので一般的ではありません。
*この記事は150㎡未満を想定して書いているので150㎡以上でつくりたい場合は別途ご相談ください。
ちなみに、耐火建築物・準耐火建築物にも該当しない「その他建築物」として建築することとなります。
車庫に関する建築基準法の制限② →内装は準不燃材料
建築基準法第35条の2(特殊建築物等の内装)の規定により特殊建築物である車庫については、内装制限が適用されます。
具体的には、建築基準法施行令第128条の4、同令第128条の5第2項の規定により、内装仕上げ(壁・天井)を原則して「準不燃材料(10分不燃)」以上としなければなりません。
準不燃材料とは、不燃材料(*)、厚さ9㎜以上の石膏ボードなどとする必要があります。
(*)不燃材料(20分不燃):コンクリート、煉瓦、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、漆喰など
つまり、木による内装仕上げは不燃材料にも準不燃材料にも該当しません。では、道の駅なみえのように内装仕上げを木質とすればよいのか。
その答えは、国土交通大臣認定品の木造を使えばOKです。詳細には、「NM(不燃材)」又は「QM(準不燃材)」を使用します。Google検索で「木造 不燃材料」と検索すればOKです。
>>>前田木材(https://www.maedamokuzai.com/funenzai/)
>>>吉田製材(https://www.yoshidaseizai.co.jp/hunen/hunen_index.html)
柱や梁も内装制限の対象となるかどうかですが、詳しくはこちらの書籍に書かれています。
基本的には、内装制限が適用される壁・天井の部分に柱、梁等の木部が露出する場合で、柱、梁等の室内に面す る部分の面積が各面の面積の10分の1を超える場合は、当該柱又は梁等の部分も壁又は天井の一部とみなして、内装制限の対象として取り扱われます。
例えば、一面の面積が10㎡で、そのうち柱や梁が露出部分(見付け面積)が1㎡を超える場合には、その柱や梁等も内装制限の対象となります。
茨城県・福島県内での木造車庫の注意点
茨城県及び福島県内において一定規模を有する車庫・ガレージをつくる場合には、県条例により前面道路の幅員(6m以上)や主要構造(準耐火構造以上とする)などの制限が加えられているので注意が必要となります。
対象となる車庫は次の床面積の規模に該当する場合となります。
県名 | 住宅(兼用住宅を除く) | 住宅以外 |
---|---|---|
福島県 | 150㎡以上 | 150㎡以上 |
茨城県 | 100㎡超 | 50㎡超 |
上記の規模に該当する場合にはより専門的な知識が必要となるので仮にDIYで車庫等を建築しようと考えている方がこちらの記事を読んでいる場合には建築士に相談するようにしてみてください。
まとめ
ということで木造車庫・ガレージに関してまとめました。
車庫等を木質化するのは自然環境のためにもとても良いことではあるものの、自動車という燃焼する可能性のあるモノを保管する必要上、火災が発生しても避難できるように規模が大き車庫は耐火建築物等としなければらなず、また、全ての車庫において、天井や壁の内装仕上げを準不燃材料(10分不燃)以上する必要があることに注意が必要となります。
それでは以上となります。参考になりましたら幸いです。