いわき市の自家用車依存度が上昇。

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この記事では、2020年国勢調査の自家用車依存度のデータから、このまま推移するといわき市は本当に住み難くなりますよ〜というテーマでお話ししていきます。

どうも、まちスタです。

これまでの行政経験の中で、公共交通政策に携わる機会もあった私自身も思うことは、”いわき市の自家用車依存度が高過ぎ”です。中核市の中でもダントツの1位を達成!!「自家用車が無いと生活できない市だよ〜」と公言しているようなものです。

人口数万人都市の集まりだから仕方ないでしょ〜って話もよく聞くこともあるのですが、果たして本当にそのようなまちでいいと思っている人は意外と少ないんじゃないかと思っている方です。

いわき市民の中にもこの異常な自家用車依存度の高さに幻滅している人もいると思います。なかには、運転できなくなったら子ども達が住む首都圏や仙台に移住しようと考えている方もいるのではないでしょうか。

ということで、2020年国勢調査結果からいわき市の依存度はどのようになっているのか、近隣都市との比較を交えて話していきます。

目次

自家用車依存度とは?

自家用車依存度とは、通勤・通学において鉄道やバス、バイクといった移動手段のうち自家用車(車)を利用している割合のことです。国勢調査では10年ごとに調査を行っていて、いわき市は前回(2010年)の数値でも中核市の中で1位を記録していました。

そして、今回(2020年)も1位を達成しました。

自家用車依存度が高いということは、それだけ日常生活手段の中で自家用車が多く利用されているということ。

自家用車依存度が高いと想定的に市街地の人口密度も低くなることが分かっており、結果として、駅前の求心力・集客力が低いため日常生活に必要なあらゆる機能(医療や福祉、商業など)が都市の中で分散して、徒歩や公共交通による生活がし難いの特徴です。

下図は、2020年国勢調査結果(中核市)における自家用車依存度と市街地の人口密度の関係性を示すデータです。

また、生産性・効率性ともに低くく、例えば、ゴミ処理で例えると分かりやすいのですが、居住者が分散していると都市と、分散していない都市では、どちらがゴミ処理にかかる費用を少なくすることができるでしょうか。

もちろん、居住者が分散していない都市です。その方がゴミ処理車による移動距離を短くすることができるため、人の拘束時間や燃料を低く抑えられます。つまり、都市の運営に必要な固定費(税金)を抑えることができるということ。

ではでは、2020年の国勢調査結果におけるいわき市の自家用車依存度はどうだったかというと、次のような結果でした。車利用者数が少ない通学者が減少していることも原因と考えられますが、それでも、かなり高いです。

もちろん、いわき市に限ったことではなく、地方圏では少子高齢化によって自家用車依存度が高まっている状況にあるので、人口数万人の都市として一つ一つ見ていけば大差はないように思いますが、依存度の高さは徒歩や公共交通での生活をし難くする要因なので、果たして団塊世代が運転できなくなるであろう10年から20年後、どうするんだろう?と考えさせる結果です。

もちろん行政もゆるやかな規制という形でコンパクトシティに取り組んではいますが、数年で解決できるような理論ではないので、足が無くて生けていけないという独り暮らしの方が増加し、行政の福祉部門が苦労するのは明らか。

私自身、公から民に渡って思うことは、いわきは飲食や物販といったリアル(物理的)な商売がやりにくいと感じます。駅前の集客力として30万人クラスではないため、水戸や勝田のように駅前でビジネスを行うメリットが低く、かと言って郊外でビジネスを行っても自身の店舗単体で集客力を有さないといけないため、非常にハードなビジネスになっていると思います。すでに事業として成功されている方は、相当な魅力がある店舗だと考えられます(ですので、いわき市内で長く続く飲食店はハズレが少ないはず。)。

話を戻しまして、

いわき市が人口密度の低い分散型の都市になった原因としては、主に想定以上に人口が増加しなかったこと。

いわき市が誕生した頃は人口50万人近くを見据えていました。

加えて、人口増加の難しいと分かった段階で居住地域を縮退させる都市計画を行えなかったことにあるのかなと私は考えています。

自家用車の普及と自家用車への依存は異なるもので、本質的に自家用車は嗜好品に近く経済力で購入できるかどうかが決まるためライフラインになってはいけない代物です。

というのも、運転できなくなった段階で「移動の自由度が極端に低くなります」(親族に頼る人もいますが・・・)。誰もが分かっていることなんですけど、まだ先のように感じてしまい、結局は課題が露呈してからどう行動するか決めるんですよね。

なので、全国的に交通弱者とされる方の足の確保が課題になっているということです。

いわき市や双葉郡、茨城県北部も例外ではなく、そうした交通弱者の足の確保が課題になっていて、福祉政策の一つとして、今後、自治体の行政運営に大きく影響を与えていくものです。

ですから、いわき市のような都市は、なるべく早く市街地の規模を縮小させて市街地の人口密度を維持していく取り組みが必要だと改めて思います。コンパクトシティを現実的では無いと否定する人もいますが、現実的とはお金(コスト)の問題であり、物理的に困難ではないことから本気で取り組むかどうかです。

まとめ

どうしてもこうした話をすると、ついつい熱くなってしまうので余計な一言を書いてしまう癖があるので、上記の文書で不快に感じられた方がいましたらどうぞご了承ください。

いわき市が人が歩いていて賑やかで暮らしやすいと感じるようになるには、住んでいる人達の意識を変えていくことが必要で、そこではじめてスタートラインに立ったと言えると思います。

その上で、将来、20年後・30年後の生活をどのようにしていくのか。いわき市が暮らしやすくなるのか、他の3〜5万人都市同様に暮らし難さに拍車をかけていくのか、今がその岐路に立っていると思います。

ということで以上となります。それではまた〜〜

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この記事を書いた人

▼水戸〜日立〜いわき〜仙台エリアまでの常磐線沿線都市での生活・ビジネス・まちづくりに役立つ情報・サービスを届けています
▼不動産・建築・都市計画
▼主な活動範囲:水戸〜いわき(相馬+仙台)
▶︎これまでの”都市づくり”の常識を覆し、わたし達が住む地域を住みやすさを世界1位にすることを目的に活動しています。 

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