新築時の家具は一般的には造作といって建築工事の中で施工することが多いです。
住宅建築にあわせて家具をつくる方が大工の手間が増え建築コストも増加しますが、竣工後に設置する汎用家具とは異なり、最大の利点が納まりが美しくなります。加えて、設計段階から家具の配置を決めておくのでデットスペースが生じにくいという利点があります。
むしろ、住宅の間取りに合わせて家具をオリジナルで依頼すると汎用品(市場に出回っている家具)もよりも高額になりがちです。(個人的な考えとしては、住宅設計時に家具を設計しておく方が機能的にも美観的にもメリットが高いと考えています)
一方で、建築時に造作となると建築コストが増となることから、それを避けるために竣工後にリーズナブルな家具を購入して設置している方や自分でDIYして設置している方もいます。また、賃貸住宅の場合には後から家具設置が一般的です。
今回は、後から家具を設置したい方から檜材のテレビ台の制作を受注し納品しましたので、このブログでDIYベースで制作可能な桧のテレビ台を紹介しています!(建築士が設計する家具を使いたいということで発注してくれた方には感謝申し上げます。)
製作した檜・杉材によるテレビ台
はじめに、今回製作したテレビ台はこちらです。幅90㎝、高さ46㎝、奥行き40㎝となります。使用した材料は檜と杉になります。製品価格は6〜7万円前後(送料を除く)です。
今回は檜と杉を使用しておりますが、檜と杉は柔らかい木材のため日常使いの多い箇所(例えば、机)に使用すると傷が付きやすい特徴があります。とはいえですが、杉や檜特有の香りや美しい木目、柔らかい手触りを味わいたい方は杉や檜一択になります。
ちなみに、檜材は色合いから軽い印象を受けるため重厚感を求めたい方はチェリーやオークなどの色合いが濃い材料を使うのが良いです。
今回製作した家具では一部、ダボ繋ぎという方法で板同士を接着しておりますが、重量物が積載しないケースや高温多湿、水を使用する場合での使用がないのであれば木工ボンドとクランプで圧着すればダボ繋ぎも不要かと考えられますので、加工面を適切に加工(機械製材)すればさほど手間がかからずにつくることができます。
今回は機械加工を『木材通販のマルトクショップ』さんにお願いしました。
なお、杉や桧は柔らかく加工しやすい反面、ちょっとしたことで傷や凹みがつきます。
そのため、家具を傷つけたくない方はチェリーやオークといった堅い材料の使用を検討したり、ウレタンなどの塗膜塗装により保護することおすすめします。
加えて、注意点として堅い材料を使用する場合には下穴加工などの手間が生じるのと比較的、材料単価が高い傾向にあるので留意が必要となります。
補足:重量物を積載する場合には強度に注意
テレビ台には重量物が積載されることは少ないため材料強度をシビアに検討する必要がないのもあってDIYでも作りやすく分類に入ると思います。
一方で、テーブルやベッド台などの重量物を支えたり材料が長くなる場合には、たわみ量の検討が必要となるので注意が必要です。(現在は、たわみ量計算を行うことができるサイトがあるため数学や物理が苦手な方でも検討可能です。)
また、接着方法ですが、できる限り接着面を増やす方が良いです。
例えば、こちらの図ですが、天板を接着する場合ですが、左側よりも右側の方が接着面積が大きく強度が増します。
上手のような接着方法以外にダボ繋ぎという方法で接着する方法もありますが、どうしても0.5~1.0㎜のズレが生じるため、この微妙なズレによって納まりが汚くなるので出来れば機械加工でダボ穴を開けておく方が無難です。
設計図ダウンロード
設計図はこちらからダウンロードすることが可能です。
(注)設計図は性能を保証するものではありませのでご注意ください。
依頼も受けております
家具設計・施工(設計のみもOK)をお受けしておりますので、テレビ台やベッド台、テーブルなどの設計を依頼したいという方はお問い合わせフォームよりご相談ください。
※相談は無料です。