【土地・家】福島県・茨城県の地震が多い理由と地震被害が少ない理由を分かりやすく解説。

この記事では、下記三点について書いています。

  1. 福島県及び茨城県沿岸部の地震が多い理由
  2. 福島県及び茨城県沿岸部の地震被害が少ない理由
  3. 地震よりも津波に警戒するべき理由

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福島県・茨城県沿岸部の地震が多い理由

日本全体を見ても福島県と茨城県、加えて宮城県沖の地震が多いと感じるている方が多いと思います。実際、東日本大震災以降、地震の発生頻度は上昇しています。

こちらの資料は、防災科学技術研究所において公表している計測震度4.5以上(震度5弱以上)の発生件数です。

【過去約20年間における震度5弱(計画震度4.5)以上の発生件数】

計測地2001.3.10
〜2011.3.10
2011.3.11
〜2022.5.31
最大震度
仙台(MYG013)2件10件6.3(6強)
*2011.3.11
相馬(FKS001)1件6件6.1(6強)
*2022.3.16
原町(南相馬)(FKS005)2件5件5.7(6弱)
*2011.3.11
いわき平(FKS011)0件6件5.4(5強)
*2011.3.11
いわき勿来(FKS012)0件8件5.8(6弱)
*2011.4.12
日立(IBR003)1件9件6.4(6強)
*2011.3.11
那珂湊(ひたちなか)(IBR007)0件7件5.8(6弱)
*2011.3.11
水戸(IBR006)0件4件5.8(6弱)
*2011.3.11
計測震度4.5(震度5弱)以上の発生件数 *出典:防災科学技術研究所

ご覧頂くと分かりますが、2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北太平洋沖地震)を契機として、計測震度4.5以上を観測した地震の発生件数が増加していることが分かります。

基本的な地震の傾向として、日本海溝型地震(宮城・福島・茨城の沖合)が多いですが、一部では、内陸型地震(直下型)も発生しています。内陸型については、東北地方太平洋沖地震後にいわき市田人地区及び北茨城市関本町で発生した震源の浅い地震となります。

内陸型(直下型)地震に関しては、東日本大震災から1ヶ月後の2011.4.12にいわき市勿来でM6.4(最大震度6弱)の地震が発生、その後2013.9.20にもM5.9(最大震度5強)の地震が発生しており、北茨城市でも2013.9.20に最大震度5弱、2016.12.28にはM6.3(最大震度6弱)の地震を観測しています。

【内陸型地震】

計測地2011.3.11〜2022.5.31最大震度
いわき勿来3件5.8(6弱)
*2011.4.12
北茨城西(関本)3件5.0(5強)
*2016.12.28
計測震度4.5(震度5弱)以上の発生件数 *出典:防災科学技術研究所

国が公表している「活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧(2022年1月1日算定)」によると、M7.0〜M7.5の地震の発生確率は次のようになっています。

活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧(2022年1月1日算定)*出典:https://www.jishin.go.jp/evaluation/long_term_evaluation/lte_summary/

東北太平洋沖地震によって日本海溝のプレートの動きが活発化している影響もあってか非常に活発であり、今後も震度5弱以上を観測する地震は発生するものと考えられています。

マグニチュードとしては、7.0~7.5程度が10年以内で20〜40%程度の割合で発生する予測です。津波地震に関しても10年以内に9%の確率となっており、やや高めだと思います。

やはり、注意すべきは直接的な地震によりもやはり津波です。

ではその前に、なぜ、地震被害が小さいのか、その理由について解説していきます。

少し専門的な内容も含まれますが、このことを理解するだけで、福島・茨城で住宅を建築する際の参考知識となり、きっと役に立ちますので、最後までお読みください。

福島・茨城県の沿岸部の地震被害が小さい理由

結論は、海溝型地震の特徴の一つである震源地と都市(陸地)との距離が離れていることなどの理由から、小中規模の建物・工作物に被害をもたらす揺れにならない傾向にあるからです(福島・茨城に限る。宮城県沖は内陸に近いところで発生する地震があるため被害が甚大となるケースがある。1978年宮城県沖地震)。

冒頭でお伝えしたように、東日本大震災発生以降、太平洋沖において地震の発生頻度が増加しているのは、お住まいの方であればご存知だと思います。というよりも住んでいる方にとっては、1ヶ月に一度は必ず発生している小・中規模の地震に対して気持ち的にもうんざりされていますよね。

比較的規模の大きい震度5弱以上の地震が発生する度に、大手メディアをはじめ各社はこぞって被害状況を伝えていますよねー。

さらに、行政機関(警察・消防を除く)では、万が一に何かあったらいけないと震度4程度でも出勤する。震度が5を超えれば食材・水・燃料を買い占めに向かう車や人の列。他人事にしてはいけないものの、不思議に思ったりしませんか。

ところが半日経ってみると、9割以上の地震の被害は、ほぼ皆無で、取り越し苦労なケースが多いです。

ではなぜ、福島県や茨城県沖で発生する地震による建物被害は小さいのかです。

詳しく解説します。

はじめに、震度を鵜呑みにしないようにしてください。

震度とは?

結論から言うと、震度は、建築物や公共施設にとっては「あまり意味の無い指標」です。

というのは、人が感じる地震の揺れを分かりやすく伝えるための客観的指標だからです。

気象庁によると、震度とは”体感および周囲の状況から推定”していたのもので、1996年3月までは人が測定していました。1993年4月以降は自動的に観測して速報値として情報が発せられることで、マグニチュードのみでは測ることができない地震の大きさを日本全国に周知することが可能となっています。

感覚的にどの程度の地震かを把握する上では効率的な指標なのですが、建物やインフラ被害との相関関係は低いです。

一定の判断指標としては使えますが、この震度のみであらゆる行政機関(海保、自衛、警察・消防を除く)・民間企業、市民が動き回るのは非効率的で、特に役所においては無駄なコストを発生させている可能性が高いです。

下記は気象庁が公表している震度と揺れの状況についてです。ここでは震度5弱以上を記載しています。

なお、現在の建築基準法の構造基準では、「震度6弱程度の地震までは被害は生じたとしても軽微な損傷程度で済むか損傷しない」とされており、極めて稀に発生する大地震に対しては損傷しても倒壊までは至らないとしています。

震度人の体感・行動屋内の状況建築基準法の関係
5弱大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
5強大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。
6弱立っていることが困難になる。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。【中規模地震】
被害は生じても軽微なひび割れ程度
6強立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。【大規模地震】
壊れても倒壊までには至らないようにして人命の安全を確保
震度のゆれの状況 *出典:気象庁https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/index.html

建築基準法では、建物の構造・規模、地盤等によって固有周期が異なるため一概に震度とはリンクしませんので注意が必要となり、東日本大震災においても多くの木造住宅が残っていた理由は建物にとって大きな影響を受ける地震ではなかったことからなのです。

そう不思議ですよね。2022年3月に発生した福島県沖の震度6強の地震が起きてもそこまで大きな被害になっていないですよね。その理由を説明していきます。

建物被害を受ける地震の揺れの特徴

こちらの資料は、熊本地震の際の卓越周期と東日本大震災及び2022年3月の福島県沖地震で観測されている周期と疑似応答スペクトル(つまり速度。単位:㎝/s:昔はカインと呼んでいた値)との関係性を示したものです。

見ていただくと非常に分かりやすいです。

赤枠の部分は周期1~2秒、速度200~400㎝/sの範囲を示しています。

熊本地震と東日本大震災における応答スペクトルの違い *出典:防災科学技術研究所
熊本地震と2011年4月地震・2022年3月地震における応答スペクトルの違い *出典:防災科学技術研究所

熊本地震ではマグニチュード7.3、最大震度7を観測して全壊は8,667棟でした。

熊本地震では、周期が1〜2秒(1秒間に1~0.5往復する揺れ)の範囲の速度が大きいことが分かりますが、東日本大震災はどうでしょうか。周期が1秒未満(0.3秒前後:1秒間に3往復)ですよね。

実は、卓越周期が1〜2秒の揺れ方をする場合に中低層建築物の被害を大きいことが分かっています(キラーパルス)。

建物や構造物への影響に関しては、1,000galを超えるような最大加速度(地震のインパクト)であっても建物被害との相関関係はなく、最大速度(㎝/s)と周期(s)の関係性が高いです。

すなわち、建築物にどれだけ大きな被害を生じさせる地震かという観点でみると、東北地方太平洋沖地震による揺れの強さは、最大加速度は高くても周期が短い強い揺れであったため、熊本地震よりも遥かに「弱い力(建物に対して!)」だったわけです。

ちなみに、熊本地震に関しては、「現在の建築基準法で建築された建物であれば大丈夫でしょ?」と思っている方が一定数いらっしゃるかもしれません。

しかしながら、熊本地震では現行法で建築されたものでは施工不良等で大きな被害を受けていますから、現行法の建築物全てが安全ですとは言い難いです。特に木造建築物でも適切に維持管理していない場合では構造材が腐っていて簡単に倒壊する恐れすらあります。

YamakenBlogさんでは、このあたりを詳しく解説されているので住宅建築の際の参考にしてみるとよいと思います。

>>>参考記事(出典:YamakenBlog)

話を戻すと、1〜2秒の卓越周期の揺れ方をする地震が発生するかどうかです。

なお、繰り返しですが、東日本大震災では、卓越周期1秒未満の非構造部材に影響を及ぼす揺れ方であったため、建物の構造的な被害は少なく(被害を受けているのは昭和56年6月以前の旧耐震設計の建物や設計・施工不良の建築物など)、さほど影響は無かったです。

当時は、屋根瓦が崩れたり内壁にヒビが入って大変だったという声を良く聞きますが、あたり前ですね(笑)

重量の思い瓦をただ載せているだけ(現在は制度改正され、瓦を載せるのみでは基準違反)。加えて、柱は華奢な上に開口部だらけで耐力壁(筋交)がないのでは、加速度の大きい小刻みな揺れで崩れるでしょう。倒壊しない揺れ方をしてくれただけでラッキーです。

むしろ、福島や茨城の沿岸部で注意しないといけないは、津波です。

福島・茨城沿岸部は津波対策が必要。

歴史を遡れば、過去に幾度となく海溝型の地震による津波によって被害を受けています。

こちらの資料は、国(地震調査研究推進本部 地震調査委員会)が平成31年2月に公表した「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」によると、太平洋沖合で発生している津波を伴う地震は次のように記述されています(2011年以前)。

名称被害程度
869年貞観地震・多数の溺死者を伴ったことが記録
・福島県相馬郡で高所に津波が這い上がったという伝承
・地震(津波)で松島ができたという言い伝えなど
1454年享徳地震・奥州に津波が来襲し百里先の山の奥まで浸水し多くの人が海に流されて死亡
・青森県から福島県の太平洋沿岸の一部を襲い内陸まで浸水した可能性
1611年慶長三陸地震・伊達家領内で死者1,783 名、南部・津軽で人馬死3,000余
・岩手県山田町船越小谷鳥で約 29m、田老町で 15~20m
・大船渡で 9.7m、岩沼で 7m、相馬で約 9.8m
1677年延宝房総沖地震・小名浜・中作・薄磯・四倉などで家流倒約550軒
・死・不明130名余(あるいは 189)
・水戸領内でも溺死246名余
・浸水高は岩沼で5.7m 以上、福島県沿岸で 3.5~7m、茨城県沿岸で4.5~6m
1793年寛政地震・岩手県中部から福島県北部に至る内陸部に震度5
・岩手県中部から福島県沿岸まで津波があり、高さは2~5m
1896年明治三陸地震・北海道、青森県、岩手県、宮城県で死者 21,959 人を記録
・地震後約35分で津波が三陸沿岸に来襲
・津波来襲直前に鳴響のあったところが多く、第2波が最大。
・波高が最も高かったのは岩手県綾里村(38.2m)
1933年昭和三陸地震・地震後約30分~1時間の間に津波が北海道・三陸の沿岸を襲い大きな被害
・北海道、青森県、岩手県、宮城県で死者 1,522 人、行方不明者1,542 人の被害
1938年福島県東方沖地震・津波の最大全振幅は、107㎝(小名浜)113cm(花淵)、 124cm(鮎川)を観測
過去(歴史記録があるもの)に宮城・福島・茨城で発生した地震による津波被害 *出典:https://www.jishin.go.jp

2011年3月の東北地方太平洋沖地震のような津波被害は後何百年も発生しないでしょ。と思うかもしれませんが、決してそのようなことはなく、むしろ地殻変動が大きい日本海溝においては確率論的に大丈夫でしょというのは無理がありそうです。

とはいえ、今、生きているうちは大丈夫。と思ってしまうのが人です。

確かに、私達が生きているうちに小さな津波はあるかもしれないけど、再度大津波が来襲することはないでしょうと思うかもしれませんが、果たして本当にいいのか。都市に住むのは将来の人達なのですよね。

なるべく津波被害を受ける地域を避けて建築するか少しでもリスクを下げる取り組みが行政・民間ともに必要に考えられます。

津波被害を受けると建築物は塩害被害や変形等によって使いものにならなくなるため、再起不能に陥る可能性があることに留意して、浸水想定が基礎高を超えるような場合には、例えば建築物の地盤面を嵩上げしたり、一階部分をピロティ(車庫や倉庫)や非居住スペース(波力が抜けるように東西に窓を設ける)にするなどの工夫をする必要があると考えられます。

リスク低減策については建築士が詳しいので、沿岸部で住宅建築を考える場合には建築士に相談をするようにしてみてください。

まとめ

福島・茨城県沿岸は、東日本大震災以降、地震の発生頻度が高くなっていますが、発生している地震は海溝型地震といって日本の沖合で生じている地震であり、その揺れの傾向として建築物や工作物に被害をもたらすような周期ではない傾向にあります。

とはいえ、施設によっては共振してしまい道路や高架橋などが被害を受ける可能性もあります(2021年3月及び2022年3月の福島県沖地震)

地震が発生したら、人が体感する震度よりも先に「震源地・マグニチュード・震源の深さ」を確認してください。震源地が陸地に近く、マグニチュードが大きく、震源が浅い場合には建物や工作物に被害をもたらす可能性が高いですし、震源地が遠くても震源が浅くマグニチュードが大きい場合には津波が来襲します。

しつこいですが、福島・茨城で最も注意しなければならないのは津波です。

自治体が公表している津波浸水想定区域を確認し、大原則として浸水が0.5mを超えるような地域には戸建て住宅の建築はしない。どうしても建築したい場合には津波が来た際に逃げる準備、避難経路の確保、資産を分散しておくことをおすすめします。

ということで以上となります。参考となりましたら幸いです。