いわき市・水戸市の最新のGDPから見る都市の経済規模と特徴

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今回の話、誰もが経済には興味があると思います。
GDPの話です。GDPというと国内外の話だけと思っている方が多いんじゃないでしょうか。実は、市町村別にGDPを知ることができるようになっています。

このGDP、いわき市と水戸市エリアにおいてビジネスを行う上で、結構大事な話です。

いわき市・水戸市の名目GDP

GDPという用語。一度は耳にしたことがあると思います。

GDPとは、簡単に言ってしまうとある一定のエリア(今回だと市町村の行政区域内)における経済規模を表す指標として用いられるもので、付加価値の総額(Gros DomesticProduct)のことです。→つまり、国内総生産

このGDPから物価の変動等の影響を取り除いたものを「実質GDP」と言って、経済成長率を見る指標として用いられています。

福島県では市町村毎に実質GDPを公表していませんが、茨城県内では市町村毎に実質GDPを公表しています。

今回は市町村ごとの経済規模(名目GDP)から常磐線の主要都市である水戸市といわき市がどのような産業で価値を生み出しているのかを見てみます(比較するために福島県郡山市を記載併記)。
*経済成長率が分かる実質GDPについては、茨城県内の市町村が公表されていますので、次回の更新で触れていきたいと思います。

*2018年度名目GDP(福島県郡山市、福島県いわき市、茨城県水戸市) 単位:億円

上図の表を見ていただくと、都市ごとに傾向が別れているのがよく分かります。

つまり、まとめるとこういうことです。

  • いわき市:工業都市
  • 水戸市:商業都市
  • 郡山市:商工業都市

いわき市の製造業のGDPは3,072億円に対し、水戸市は598億円となっていますが、一方で、金融・保険業は水戸市が1,191億円に対し、いわき市は286億円と4倍以上の差がありますよね。

また、水戸市といわき市の主産業の違いとして、「卸売・小売業」の差も顕著です。また、いわき市の場合には、建設業も多く付加価値を生み出していることが分かります。建設業関係は高速道路整備や港湾整備、双葉郡での廃炉作業が関係しているのかなと思います。

これを人口割してみると、市民一人あたりの稼ぐ力が分かります。

都市名名目GDP人口*H27国調人口人口一人当たり名目GDP
水戸市1兆1,782億円270,783435万円/人
いわき市1兆3,314億円350,237380万円/人
郡山市1兆3,445億円335,444401万円/人
水戸市・いわき市・郡山市名目GDP(2018年)*出典:市町村県民経済

人口一人当たりでみていくと水戸市の名目GDPの方が高いことが分かります。
これは、付加価値の高い金融・保険が牽引しているのが大きな要因となります。

つまり、都市として一人あたりの所得を高めていきたいのであれば単純に投資する場所を製造業のみならず、他の金融や商業等に公共投資していけばいいんです(単純な考えなので、実際には早々うまくいかないです。)

都市の経済規模から、これからのビジネスを考える

以前にも伝えたことがあるのですが、経済=都市計画、都市計画とは経済を語ることになります。

いわき市は製造業が強いというイメージをお持ちの方が結構いると思います。

実際、いわき市は製造業で都市としての経済を維持しているような都市ですが、一概に製造業と言っても、どのような業種の製造業で稼いでいるかを知ると、なんとなく稼いでいる業種をイメージできると思います。

「工業統計調査」によると、いわき市の製造品出荷額等の4割を占めるのが、「化学工業」と「情報通信機械器具製造業」となり、令和元年で約4,000億円(製造品出荷額等)となっています。いわき市に居住されている方なら、「あ、あそこの工場か」とイメージがつくと思います。*なお、4名以上の事業所における従業員数は約2.4万人

郡山市も同じくですが、製造業によって成立している都市です。郡山市の場合には製造品出荷額等の約3割(約2,000億円)が化学工業です。一方で、水戸市は商業都市であることが顕著に分かりますよね。

大事なことは、何によって稼いでる都市で何をすればビジネスチャンスがあるのかどうかです。

例えば、いわき市であれば、製造業が市内経済を牽引していますから、恐らく数交代制で仕事をされている方が多くおり、夜勤明けの方などもそれなりにいるはずです。そのため夜勤明けの方をターゲットにした「朝を有効に活用できるビジネス」を考えていくもありだと思います。

正直、現在、朝をターゲットしたビジネスとしては、コンビニや牛丼屋、ジムぐらいです(製造業が牽引している地域でかつ人口密度が低い地域はコンビニ数も多いのではと思います。検証していませんがおそらく相関する)。

とはいえですが、工場の場合にはAIの積極的導入や国内マーケットの縮小によって、海外への製品出荷などによりGDPは高くても稼ぐ市民の減少(従業員数の減少)により衰退していく可能性はあります(企業さんの努力次第であり行政が支援していくことが大切な部分)

これは個人的な考えですが、これから力を入れていくこととして、もっとも大切なことは新たな産業を生み出すスタートアップ企業の育成じゃないかなと思っています。

これから人口が減少し国内のマーケットが縮小していく中でも現在の経済規模維持し、一人当たりの所得をあげていくためには生産性の向上が必須です。現在の工場における生産性向上策の他に、他業種に投資を増やしていく必要があると思うんですよねね(商業や観光など)*私達もその中の一人を目指しています。

そのためにもベンチャー育成は必須。

わたしも含めてそうですが、スタートアップ企業としての成功を目指すなら、どうしても東京を目指しがちです。

というのも人・モノ・金が集まるからです。もしこのサイトを行政さんが見えているのであれば、スタートアップ育成に支援(口は出さない金のみ)を検討してはどうかと思っています。

最後に、都市構造上の課題

最後にいわき市のような製造業が主産業の都市の問題点として、住と職のエリアの距離が離れることにあります。

特に工業団地を分散配置している場合、公共交通が成立しない輸送密度である可能性が高いため、どうしても自家用車依存になりがちです。*宇都宮市の場合にはLRTを導入するため現在工事中です。

そうなると人口が減少するいわき市は将来どうなるか、すでに一部でそうなっていますが、例えば、車利用を前提としたビジネスしか成立しなくなります。

これからのまちづくりで外せない大切な視点は、”人中心のスケールに合わせた都市空間の形成”です。

そのため、都市に移動需要(活性化)をもたらし、賑わいをつくるツールである公共交通を独立採算性での成立をもって良し悪しを判断してはダメです。宇都宮市のLRTが本当に独立採算性でいけると思いますか?(計算上はそうしているかもですが)、目的が違うんです。歩く人を増やすことで、街(市街地)に賑わい(黒字経営)をもたらすことが目的です。

自動運転車が増加しても全ての自動車がシェア型の自動運転車に置き換わらない限り、駐車場は必要ですから、自家用車の総量に大きな変化はしないのですので、市街地においては、それ自体でお金を生み出さない存在なのは明白です。

公共交通に対しては、独立採算性が根強い日本ですが、欧州との違いが顕著です。公共交通はまちづくりのツールの一つであって、それ単体で論じること自体がナンセンスなんです。

ついつい、友人に対して「いわき市・水戸市は車が無いと生活できないよ?」って言ってませんか。

その考えの根底にある公共交通に対する理解が、私達の住む都市を暮らしやすさを低くし、ビジネスをやりづらくしています。もっともっと生活スケールや目線を落として、面積を多く占める自家用車ではなくて、人が中心のまちづくりを行うことが大切だと思います。

こちらの記事も合わせて読むとこれからの街のあり方をイメージできますのでよかったらどうぞ。

ということで以上となります。参考になりましたら幸いです。
それでは、次回また〜〜