【いわき市】最新データ(2015-2023年)人口増減動向:増加地域と減少地域の一覧

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この記事では、急速に人口減少が進むいわき市でも人口増加が進む地域と減少率が緩かな地域について、最新の統計データを基に解説を行っています。人口動態は2015-2020-2023の国勢調査結果の小地域ベースで、エリアはいわき市の市街地(市街化区域の指定されている地区)に限定しています。

解説の前に簡単な自己紹介です。

株式会社UrbanPoleShiftの満山といいます。

国と市役所職員を経験した元公務員で、現在は一人で起業し建築系のWEBメディア運営や建築相談などを受けつつ、将来的には地方都市の活性化につながる仕事に携わっていきたいと考え地域情報等を発信するメディアを運営しています。

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目次

人口増加が進むのは泉地区。人口減少率が低いが四倉地区

こちらのデータは国勢調査といわき市が公開している人口統計の数値です。国勢調査は2015-2020の推移、いわき市データは2023年4月1日時点のものです。

スクロールできます
中央台・郷ケ丘小名浜勿来常磐内郷四倉好間小川久之浜
2015年10月82,90622,36455,69927,57049,71333,60126,30414,57713,9596,8583,439
2020年10月76,77619,98254,38128,67848,02731,93724,43814,53012,6836,7233,211
2023年4月74,32919,75053,29128,48947,50631,16824,64814,36612,4416,4753,218
人口増減率-11.5%-13.2%-4.5%3.2%-4.6%-7.8%-6.7%-1.5%-12.2%-5.9%-6.9%
2015-2020-2023年の人口

データは市街化を促進する区域(=市街化区域)が指定されている地区の人口です。ご覧頂くと、全体的に人口減少が進んでいますが、泉地区については人口が増加し、四倉地区については人口減少率が低いことが分かると思います。

ご存知の方もいかもしれませんが泉地区については、震災前は約2.4万人(2010年4月)でした。

震災後に被災したいわき市民や双葉郡の方々によって未利用地が多く残っていた泉もえぎ台や葉山で住宅建築が行われ急速に人口増加が進み、かつ、土地区画整理事業により戸建てやアパートの開発が進んだこともあって、旧内郷市(内郷地区)を抜いて、2023年4月には約2.9万人まで増加しています。

特に泉地区は、若い世代の方々が移住したのが特徴的です。今後も若い世代の方々が子供を産むことで緩かに人口が増加することが考えられます。

なお、泉地区は行政管轄上は小名浜地区に含まれます。

ですが、江戸時代から小名浜とは別に泉藩として独立していたことや、小名浜地区とは社会動態も異なるため、都市計画マスタープラン(いわき市の土地利用計画)においても小名浜地区から独立させています(泉地区として都市政策をアプローチした方が今後も発展が期待できるので、マスタープラン上も独立させました。)。

次に四倉地区です。四倉は山間部も含めると若干広い印象を受けますが、人口が集中しているのは面積がごく僅かの旧四ツ倉町となり、比較的コンパクトに市街地が完結しているのが特徴的となります。旧四ツ倉町については、ある程度の医療や商業が充足しているため住みやすいと感じる方が多い印象です。
こちらの記事が参考なります。

四倉地区については、震災後に四ツ倉駅西側の徒歩でアクセス可能な範囲で住宅開発や災害公営住宅の整備が進んだこともあって、人口増減率は-1.5%に留まっています。一方で中心市街地である旧陸前浜街道沿いの商業等は弱っており、旧市街地のためか土地もあまり動かないために人口減少が進んでいる印象をうけます。今後は、税投資が必要不可欠な状態にあると考えています。

最も人口減少が進んでいるのが平地区の郊外でニュータウンとされる郷ケ丘と中央台となります。

概形の整備完了から30年以上経過したことで、子供世代が独立し世帯あたりの人数が減少していることが要因となります。大学が立地しているため比較的若い世代も居住していますが、それでも人口減少が進んでいる状況下になります。

また、好間地区も人口減少が進んでいます。好間地区は市街地部分もありますが、人口の少ない都市計画区域外のエリアも含んでいることから以前から人口減少は進んではいましたが、2019年の台風による浸水被害によって人口減少に拍車がかかっている状態です。

なお、いわき市の中心となる平地区のうち、平字(中心市街地とされるエリア)については、若干ですが人口が回帰(増加)している状況です。今後、市街地再開発事業によりマンション供給が進むのと、低未利用地のアパートへの転換によりもう少し回帰すると想定しています。2015年から2023年までの伸び率(約4%)を考慮すると、近い将来2万人に到達する可能性はあります。

平字の人口
2010年4月17,906人
2015年10月16,650人
2023年4月17,384人

利便性の高いエリアである平字のエリアは多くの方から選択される可能性があるので、ケースによって正解は異なりますが、土地オーナーはなるべく指定容積率を使い切るような住宅開発計画も考えてみてもいいのかもしれないです。

間違っても商業地域400%の地域で、平家の木造住宅(容積率50%)は将来の平地区の発展のためには適切とは言い切れないですね。

結果的に人材や税として返ってくるので、税投資としても、省エネやコンパクトシティの観点からもう少し後押ししてもいいかもしれないです。

ということで以上となります。こちらの記事が参考となりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

▼水戸〜日立〜いわき〜仙台エリアまでの常磐線沿線都市での生活・ビジネス・まちづくりに役立つ情報・サービスを届けています
▼不動産・建築・都市計画
▼主な活動範囲:水戸〜いわき(相馬+仙台)
▶︎これまでの”都市づくり”の常識を覆し、わたし達が住む地域を住みやすさを世界1位にすることを目的に活動しています。 

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