相馬中村城の良さは、野面積みの石垣や堀が至るところに残っていることにあります。お堀の一部は宅地化されている箇所もありますが比較的当時の原型をとどめているのが特徴です。
また、JR相馬駅からも近いため徒歩で散策できるのも良い点です。城郭の東側には「相馬市歴史資料収蔵館」という比較的規模の大きな歴史館(大人100円)があるのでおすすめ。
中村城は石高6万石の城郭というだけあり福島県内の同じく近世の城郭である会津や白河、二本松、磐城平、棚倉同様に堀や石垣などが残っています。
櫓や城壁、門は会津や白河のみで、相馬中村は城門の一部が市内の寺の山門に移築されている程度で他には残っていないです。ですが、それでもなお福島県内では珍しく当時の情景を思い浮かべることができるため貴重な遺構だと思います。
当初、本丸には白河や磐城平、三春同様に三重の櫓が建築されていたそうなのですが、1670年の落雷で焼失以後は再建されることはなかったそうです。
建築的な魅力としては、大手一ノ門と相馬中村神社(国指定の重要文化財)です。なお、本丸跡に建っているのが相馬神社で、西山口門周辺に1643年から立地しているのが相馬中村神社となります(私は相馬神社と相馬中村神社の場所を間違えました…)
なお、相馬中村神社(妙見神社)は20年おきに修繕が行われているようで1992年の修理では、創建当時の柿葺きとされたそうです。ですので、約400年前の建築を見ることができる貴重な建築物となっています。
相馬中村城は城郭の大半が残っており城門の城壁の再建が可能(史料と資金のみ)な状況を見ると水戸城や会津若松、白河小峰城、白石城のように一部でも復元するとより相馬の野馬追いを相まって観光地として魅力が増しそうかと思います。個人的には当時の櫓が復元されると嬉しい。